「ビッグデータ」の活用事例

「ビッグデータ」の活用事例

2017年はAI元年などと言われ、ビッグデータ利活用の声が聞こえてくるようになりました。政府やたくさんの企業がビッグデータ技術を利用した試みをしてきました。農業分野においても可能性があると注目されており、アグリテックやスマート農業という言葉とともに国内外でさまざまな事例が増えてきています。

農業におけるビッグデータ活用とは

農業におけるビッグデータ活用とは

農業のIT化については20年以上前から必要性が叫ばれていました。現在はAIやビッグデータというキーワードと一緒に再注目されています。これは、技術革新と必要性という2つの要因によります。
自然環境の影響を受けたり、作物の状態が個体によって違ったりするのは農業の宿命です。状況を把握するだけでも、規格化された工業製品などに比べると複雑でさまざまな状況把握が必要になります。このことが農業のIT化を妨害してきました。しかし、近年のイノベーションによって複雑で多様なデータ取得が可能になりました。カメラ、センサー、衛生情報、これらをインターネット上で統合するIoTの技術、それぞれが発展していって、たくさんの場所に普及しました。
また、AIの技術も発展しました。カメラから取得した画像を解析することも可能になりました。これまで人が目視で判断していた果実の場所や作物の様子をAIで把握してデータ化することが可能になってきています。こうして取得された大量のビッグデータを解析することで人の勘や経験に頼ってきたこれまでの農業から、対策や手順を定量的に表すことが可能になりました。データを蓄積していくことでさらなる効率化が期待されます。
さらに、農家の後継者問題を解決するのにも役立っています。後継者の確保や育成が急務だといわれていますが、AIやビッグデータを活用すれば、栽培ノウハウの形式知化や自動化が可能となり、熟練農家からの技術継承に役立つと期待されています。

データ連携を促進する取り組み

せっかく取得したデータも、活用されなければ意味がありません。しかし、各データはそれぞれのメーカーが開発するシステムで管理されているのが現状です。そのような中で、データ連携の取り組みとして20社以上が参加して農業データ連携基盤協議会が設立されました。農家の人たちがデータを活用して経営改善や生産性向上に役立ててもらえる環境を整備することを目的としています。メーカーの垣根を超えたデータ連携を推し進めていますし、土壌、気象などのさまざまなデータ、民間企業が持っている有償データの蓄積なども活用しています。

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