「ドローン」の活用事例

「ドローン」の活用事例

農業ではドローンの活用もさまざまなところで進んでいます。ドローン導入のメリットと活用事例をご紹介します。

農薬の空中散布

農薬の空中散布

これまでは、主に無人ヘリコプターを使っておこなわれてきた農薬の空中散布ですが、2016年頃からドローンでもおこなわれるようになってきました。ドローンには散布装置が搭載されており、農薬の面散布やスポット散布をすることができます。2018年には国内の約2.7万ヘクタールでドローンが活用されたそうです。
ドローンは、無人ヘリコプターに比べて小型で安価な点がメリットと言われています。ドローンを活用することで生産者の負担軽減や生産性向上が期待できます。また、コスト削減効果もあります。農業用ドローンの活用はこれからも広がっていくでしょう。

肥料の空中散布

農薬と同じようにドローンを使って肥料を散布します。液剤でも粒剤でも利用できますが、液剤だと十分な散布量が載せられないので粒剤を使うのが主流となっています。北海道では肥料の空中散布は広く実用化されてきました。ドローンを使えば精密な散布が可能になりますし、中山間地域で狭く作業がしにくいところでも導入できます。農薬散布と同様に作業の効率化、作業負担の軽減、コスト削減が期待できます。

空中からの播種

ドローンの散布装置を使って稲作の直播作業にも活用が広がっています。鉄粉などで種子をコーティングして空中から直播します。育苗や運搬にかかる労力やコストを軽減することができます。また、中山間地域の狭い水田で湛水直播機を使った作業が難しい場合でも作業することができて、省力化につながります。

作物の運搬

野菜や果物などの収穫物や資材を運搬するのは高齢化が進んでいる各地の農家では難しくなってきています。また、運搬のための作業者を確保することも人手不足の状況では難しい課題です。そこでドローンを使って収穫物などを運搬できるのではないかと期待されています。現在では、民間による収穫物の運搬実証がおこなわれています。コンテナなどをドローンで運搬できるようになればさらなる省力化が期待できます。

ほ場センシング

ドローンに搭載されたカメラを使ってほ場の画像を分析することで生育状況や害虫の発生などを可視化することができます。これによって生育不良の箇所に追肥したり防除したりすることができます。また、ほ場ごとの生育状況の把握や比較、収穫予測なども可能になります。人工衛星画像を使ったセンシングはこれまでもおこなわれてきましたが、ドローンを使うことで簡単にデータが取得でき、いままで目視でおこなってきた生育状況の確認や見回りも省力化できます。

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