ITで農業を支える「データサイエンティスト」の仕事

農業とビッグデータ

センサーの情報やほ場の撮影データを分析して効率的な栽培方法を模索する農業が進んでいます。病気や生育状況、日照などの気象データによる変化が誰でも手軽にわかるようになります。炭酸ガスの量を測定するなどすれば野菜の収穫可能時期や出荷時期を予測することができます。また、気象データとビッグデータを分析することで栽培リスクを予測することもできるようになります。過去のデータから傾向を導き出したり、成熟したタイミングで収穫したりすることもできるようになります。天候のコントロールはできませんが、不足している日照や水分は補うことができます。IoTやロボットと連携させると収穫まで自動化することも不可能ではありません。

データサイエンティストのニーズ

AIはもはや人間を超えています。AIの根幹技術であるディープラーニングだけでなく、データを扱うデータサイエンティストにも注目が集まっています。2012年からデータサイエンス学部が設立されるなど、日本でも修士や博士号を取得できる環境が整いつつあります。これはデータサイエンティストの需要が高まっていることを示しており、今後も益々大きな需要が見込まれるでしょう。
一方で、AIによって将来的にデータサイエンティストが不要になると言われていることも事実です。スーパーコンピュータや量子コンピュータによって業務が代替されていくと考えられていますが、根本的にどうやってデータを社会に活用していくのか、価値を見つけるのはあくまで人間です。ツールとしてAIがあるという考え方のほうが主流です。そこにデータサイエンティストの価値があります。

データサイエンティストの仕事

データサイエンティストは、データ分析の企画を立てて、プロジェクトをスタートさせます。組込後の業務を設計したら、アプローチ設計とデータ収集を開始します。構造化データ処理や非構造化データ処理を経てデータの解析作業に進みます。データを可視化し、評価をして、業務へ組み込んでいきます。このように大量のデータを分析、解析、可視化などをして実際の業務へ活用していくことがデータサイエンティストの仕事です。

これからのデータサイエンティストに求められるスキル

数学基礎、データの理解と検証、機械学習技法などのデータサイエンススキルがまずは必要になります。環境構築やプログラミング、セキュリティやデータ加工などのエンジニアリングスキルも必要です。論理的思考力やマネジメントなどビジネススキルも併せて持っていなければなりません。